お酒の飲みすぎは二日酔いのほか、アルコール依存症や臓器障害など健康を損ねる原因となりますが、一方で適量の摂取は健康増進につながるといわれています。
厚生労働省による「21世紀における国民健康づくり運動」では「節度ある適度な飲酒」の量は、純アルコールに換算して1日約20グラムとされています。
この量は日本酒なら1~1.5合、ビールなら中瓶1.5~大瓶1本ほどにあたり、この適量を守って、お酒を飲んている人は、全く飲まない人や飲みすぎている人に比べて、心臓病やがん、糖尿病、肝硬変などを発症するリスクが低いことが医学的に証明されています。
ほかにも、適度な飲酒はストレス解消や食欲増進のほか、最近では骨粗鬆症の予防と改善効果や認知症・健忘症の予防効果があることなども医学的に証明されるようになってきました。

Nishihama/shutterstock.com
日本酒の効用
日本酒には、原料の米や麹菌・酵母から作り出された、糖質・アミノ酸・有機酸・ビタミン・ミネラルなど120種類以上の成分が含まれています。これらが独特の風味を醸し出すとともに様々な病気の予防や改善効果を生み出しているのです。
では、日本酒の効用について具体的に見ていきましょう。
①アミノ酸が豊富に含まれている
アミノ酸は、私たちの身体のタンパク質を構成したり、
②発がん予防効果
1966年から16年間にわたり、
また、日本酒を濃縮した試料をつくり、これらを膀胱がん、
③善玉コレステロールを増やす
動脈硬化が進行すると、血管に血のかたまりができて、虚血性心疾患などの様々な病気をもたらします。この動脈硬化は血液中の脂肪の一種であるコレステロール値が多くなることによって促進されます。コレステロールには善玉と悪玉があり、バランスが崩れて悪玉が増えると動脈硬化が起こりやすくなってしまいます。
日本酒には、善玉コレステロールを増やす効果があります。
④ストレス解消作用
日本酒に限らず、アルコール全般に言える効果ですが、
これによって、肩こりや筋肉の凝り、
中でも日本酒は、すい臓に働いて消化酵素の分泌を促進させたり、ODDI(
これにより消化や食欲増進を促してくれます。
⑤体を温める
お酒を飲むと代謝反応によって、
飲んで内側から体を温めることもできますが、