Lesson6-2 日本酒と健康②

美味しく健康にお酒を楽しむ

「醸造酒の日本酒は翌日まで残りやすい、一方で蒸留酒の焼酎は残りにくい」と言われることがあります。しかしアルコールの代謝のメカニズムは、お酒の種類にかかわらず同一です。つまり、同じアルコール度数で同じ量を飲んだ場合は、何を飲んでも酔い方に違いはないと言えます。
お酒の種類にかかわらず、飲みすぎれば二日酔いになるということです。

焼酎は氷や水、お湯などで割って飲むことが多いのに対し、日本酒は割らずに飲まれることが多いため、同じ量を飲んだ場合には割らずに飲む日本酒の方が摂取するアルコール量が多くなり、「日本酒のほうが酔いやすい」といわれるのです。

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お酒を飲める体質かどうかを知る

お酒に強い人のことを「ザル」と言うことがありますが、良い状態でお酒を飲める量には個人差があり、中には体質的に全くお酒を受け付けないという人もいます。まずは自分がお酒に強い体質なのか、弱い体質なのかを知ることが大切です。

アルコールパッチテストというものを用いると手軽に自分はお酒に強いタイプなのか、弱いタイプなのか、まったく飲めないタイプなのかを知ることができます。

アルコールパッチテストの手順
①ばんそうこうに消毒用のアルコールを2~3滴垂らす。
②そのまま上腕の内側に貼る
③7分程度経ったらはがして反応を見る
④さらに10分経った時点での反応を見る
結果
・③で赤くなっていた人はお酒を全く飲めないタイプ
・④で赤くなった人はお酒は飲めるが弱いタイプ
・まったく変化がなかった人は、お酒に強いタイプ

空腹のままで飲まない

アルコールは胃で約20%、小腸で約80%吸収されるといわれます。そのため、空腹のままアルコールを摂取すると、アルコールの吸収が素早い小腸にアルコールが直接流れてしまい、血中のアルコール濃度が急激に上がってしまいます。
胃の中になにか食べ物があれば、胃にアルコールがとどまるので、小腸に流れるスピードがゆっくりになります。そうすると小腸の毛細血管を血液を介して肝臓にアルコールが運ばれた際に、効率よく処理できるので、酔いがひどくならずに済みます。

またアルコールは胃酸の分泌を促す作用があり、空腹の状態で胃酸が出すぎると、胃の粘膜が傷つくこともあるため、空腹時のお酒には注意が必要です。特に炭酸入りはアルコールの吸収を早めるので、空腹時には酔いが回りやすくなります。

お腹に食べ物を少しでも入れてから飲み始めるのが、体に良い飲み方です。居酒屋なので「お通し」が出てくるのは、理にかなっているといえます。

悪酔いをしないために「水」を飲む

日本酒を飲みすぎないためにおすすめなのが「和らぎ水」です。これは、日本酒と一緒に飲む水のことで、合間に水を飲むことで血中のアルコール濃度が多少薄まり、胃でのアルコール吸収も穏やかになるため、急速に酔いが回るのを防ぐことができます。

お酒と同量の和らぎ水を飲むことが推奨されていて、お酒を飲む前に胃に水を入れておくことも大切です。
また、日本酒の中にほんの少し水をいれる「割り水」でアルコール度数を弱くして味わう方法もあります。その際には「日本酒:水=8:2」になるように割ると美味しく味わうことができます。