4つのタイプ別 相性の良い料理
日本酒と料理との相性には、次のような基本的特徴があります。
・魚介類の生臭さをカバーする
・醤油や味噌、鰹節、昆布などアミノ酸のうま味を生かした料理と良く合う
・飲む温度帯が広く、刺身や酢の物から鍋物まで料理の温度を選ばない
・塩分の多い少ない、味付けの濃い薄い、など幅広い味付けの料理に対応できる
・酢を使った料理との相性も悪くない
・柚子、カボス、スダチなどの柑橘類の酸や香りとの相性も良い
・照り焼きや甘露煮のような甘みのある料理にも合う
・わさび、唐辛子、サンショウ、ショウガなど和風の香辛料と良く合う
・シソ、ミョウガ、ネギ、三つ葉などの香りとも良く合う
<和食との合わせ方>
味・濃淡、温度などの要素が反発しない、似たもの同士を組み合わせることが基本。甘い料理には甘口の日本酒、同じ豆腐でも湯豆腐なら熱燗が、冷奴には冷酒があります。焼き鳥もタレで食べるなら甘口、塩で食べるなら辛口の日本酒ということになります。
<洋食や中華との合わせ方>
日本酒は辛口の白ワインに良く似た香味があるため、フランス料理の魚や鶏肉などの白身の料理にも合います。
中華料理であれば蒸し料理や、醤油味のものに日本酒が合います。とろみがついている料理や香辛料が多い濃厚な味付けの料理の場合には淡麗タイプの辛口の酒を合わせると口の中がさっぱりし、前後の料理の味が喧嘩しません。杉の香りがする樽酒を冷やしていただくのもおススメです。
洋風の食材では、ステーキのソースに醤油をちょっと垂らすなど隠し味に醤油や和風の香辛料を使うことで、より日本酒との相性は良くなります。
上記の特徴を踏まえた上で、4つのタイプ別にどんな料理が合うのかを見ていきましょう。
熟酒
練れた香りと豊潤な味わいを持つ熟酒タイプは、個性がはっきりとしているため、料理を選ぶ傾向がありますが、他の4タイプの酒では対応が難しい、野生生物やコラーゲンをもつ魚介、味付けの濃い料理にも調和します。油脂の多い料理や香ばしい風味の料理、スパイスのきいた料理との相性が良いとされます。

<和食ならコレ>
・豚の角煮
・ウナギの蒲焼き
・味噌煮込みおでん
・すき焼き など
<洋食ならコレ>
・ビーフシチュー
・鴨のロースト
・フォアグラのソテー
・ミートソーススパゲティ など
<中華ならコレ>
・シュウマイ
・北京ダック
・チンジャオロース
・ふかひれの姿煮 など
醇酒
ふくよかな香りとコクのある旨味と味わいを持つ醇酒タイプは、4タイプのなかで最も料理との相性が多彩です。発酵食品などの食材に対応することができ、クリームやバターなどの乳製品との相性も良いとされます。旨味が強い食材や香ばしく焼いた料理とよく調和します。

<和食ならコレ>
・タレの焼き鳥
・肉じゃが
・サバの味噌煮
・おでん など
<洋食ならコレ>
・ハンバーグ
・クリームシチュー
・フライドチキン
・グラタン など
<中華ならコレ>
・焼き餃子
・エビのチリソース炒め
・酢豚
・焼き豚 など
薫酒
華やかな香りと爽やかな味わいを持つ薫酒タイプは食前酒に向きますが、はっきりした香りがあるため料理を選ぶ傾向があります。甘味のある魚介類や繊細な食材に比較的相性が良いとされ、素材の味わいを生かした料理や、酢やハーブ、柑橘類を風味づけに使った料理と調和します。

<和食ならコレ>
・あさりの酒蒸し
・アナゴの白焼き
・山菜のおひたし
・生ガキのレモン添え など
<洋食ならコレ>
・ラタトゥイユ
・シーフードサラダ
・サーモンマリネとハーブのサラダ
・白身魚のムース など
<中華ならコレ>
・棒棒鶏
・酢の物
・生春巻き
・春雨サラダ など
爽酒
爽やかな香りと軽快な味わいをもつ爽酒タイプは、合わせられる料理の幅が広い。白身魚などのあっさりとした旨味をもつ食材を中心とした料理や、だしを使った料理、豆腐などのさっぱりした食材や蒸しものなどにも適しています。

<和食ならコレ>
・そば
・寿司
・白身魚の刺身
・茶碗蒸し など
<洋食ならコレ>
・ロールキャベツ
・プレーンオムレツ
・スモークサーモン
・バジリコ風味のスパゲティ など
<中華ならコレ>
・かに玉
・エビやカニのシュウマイ
・イカの炒め物
・小籠包 など